高校時代の同好会でアニメを作った経験が忘れられず、アニメ業界に入った主人公たちの、アニメに携わる職業(制作進行、原画、3Dアニメーター、脚本、声優)としての成長を描く。
また関係する人々の過去、生き様や成長を通して、アニメ業界をテーマにしたメタ的だけど決して暗くなりすぎないよう描写した作品。
一エンターテイメントとしても、ある種ドキュメンタリーとしても楽しめる、類まれな傑作だと思っている。
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やっぱり一番好きなシーンは、最終話前、物語に急遽出すことになったキャラの声をずかちゃんが担当し、アフレコに立ち会ったおいちゃんがボロ泣きするシーン。
最近見返した時も、数話前からそのシーンがフラッシュバックして涙腺が熱くなってしまった。
最近涙もろい気がする。オッサンになっちまったのかな?
劇中劇のラストシーンに、主人公たち5人が関わってくる、というのはベタな予定調和である。
でも、それぞれが掴むべくして撮ったチャンスに描かれていて、そこはなんというか努力、友情、勝利という感じ。
おそらくりーちゃんが考えたであろう「私、少しだけ夢に近づけました!」という台詞をずかちゃんが演技する、この構図だけで涙が出る。
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主人公、おいちゃんの成長、という点で言えば、周りには絵描きや物書き、声優など一芸に秀でた人たちが、「自分はこうありたい」という理想を明確に持っているのに対して、制作進行という「芸」とはかけ離れた職種でがむしゃらに働きながらも、自分の夢や将来について考える。
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SHIROBAKOが放映されていた時、私は社会に出る直前だった。
当時の自分からすると、「社会とはこわいところだ」とか「アニメ制作大変だ」とかいう感想しかなかったわけだが、曲がりなりにも数年、組織の中で働いてからこの作品を見ると、また違う感想を抱く。
社会に出て、企業の一員として、業界に携わる者として、なにがやりたいか、なにをすべきか。なにを成したいか。
漫然と歯車になるのも悪くない。ただ、こういう問いを自らに投げかける経験がある人はいると思う。
作品の中で、この問いを描いている部分が今、この時の私に非常に刺さっている。
自分になにができるか。なにをすべきか。
5年後10年後の自分がどうありたいか。
そういうことを考えないといけないんだよなと思う。
かといって、おいちゃんと違うのは、私はそんなに忙しくないということだ。
忙しくない、余暇がある、ということは良いことだとはわかっているが、このままでいいのかという自分の将来を案じてしまう時間が増えるあたりはデメリットなのかなと思う。
忙しそうにしている学生時代の同期、仕事のやりがいを楽しそうに説いてくれる中学の同級生と話すと、大変そうだという感情とともにある種羨ましさも感じる。
私生活の愚痴を書く場所じゃないんだけどな。
なんとなく、見てるとそういうアンニュイなことを考えてしまう。
とにかく、人生のターニングポイントに立っているときに見ると、なんとなく刺さる作品です。
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色々書きたいことあったけど、まとまらないからこれだけ。