ツイッターでの大喜利にもお気持ち表明にも参加する気にはなれなかったが、氏のプロジェクトのいちファンとして何か残しておきたかったというのと、ただ隔離で暇というので、番外編としてこのタイトルでブログを書きます。
元々は私のよしなしごとを書くブログであったので、許してください。
■ 小山田圭吾=Cornelius
小山田圭吾はフリッパーズ・ギター、そしてCorneliusのプロジェクトを通して、90年台前後の渋谷系の一角、そして00年代前後の電子音楽とロックの融合の立役者、かなりざっくり言ってしまうと、日本の(サブカルチャー)音楽を牽引してきた人、と言っても過言ではないと思っています。
近年はNHK教育の番組の作曲担当など、少しずつメイン寄りになってきたのかな?とも思いながら。
と思ったら、五輪パラ開会式で作曲担当をやるとか。何とまあ、という感想でした。
と思ったら、瞬く間に蒸し返される氏のいじめ問題。
五輪開会式の作曲担当のひとり小山田氏の障害者いじめ談。恐ろしくて最後まで読めない。
— 🌈白石草 (@hamemen) 2021年7月14日
何より恐ろしいのは全く反省せず、武勇伝のように嬉々として語ってる点。
小山田圭吾における人間の研究 - 孤立無援のブログ https://t.co/79rYVhrcb8
まあ蒸し返されても当然かなあという感想ではあるんですが。。
■ 小山田圭吾といじめ問題
内容に関しては上のリンクを見ていただくとして(内容が内容なので苦手な方は見ないことをお勧めします)、この問題はファン(及びアンチ)の間では割と有名な話で、2(+3)ちゃんねるでも割とよく話題になって、度々炎上しています。
それでも、このことを知っているファンは何とか気持ちの折り合いをつけながら、氏のプロジェクトを楽しみにしていたものと思います。私としては、このいじめ問題に関しては全く悪趣味であるとは思っていますが、作家の人間性と作品そのものは分けて考えています。
ただ、開会式の作曲担当、という肩書きで初めて氏のことを知った人間にとっては、このいじめ問題のインパクトは相当なものと思います。今まで興味の端にも置いていなかったパラリンピックの関係者が、過去に障碍者に対する侮蔑や割と悪趣味ないじめをやっていたって知ったら誰だって「何こいつ、パラリンピックに関係しちゃダメでしょ」ってなりますわな。
そして、結局本人の反省文提出という、日本では割とお決まりな流れになりました。これでツイッター遺憾表明ピープルの溜飲が下がるのでしょうか。よくわかりませんが。
東京2020オリンピック・パラリンピック大会における楽曲制作への参加につきまして pic.twitter.com/WWedM9CJwK
— Cornelius (@corneliusjapan) 2021年7月16日
■ 罪はいつ赦されるのか
この2日間の流れを見ていて、これは小山田圭吾に対する集団リンチそのものだな、と思いました。ツイッターという超法規的ツールを用いた一個人に対する集団リンチです。もちろん過去に悪趣味ないじめをしたという事実は、悪趣味な雑誌の悪趣味なコーナーに残り続けるわけで、変えようもないのですが、そこから四半世紀、反省や更生もあったかもしれない(なかったかもしれないが)。
その部分を蔑ろにして、感情的に嫌だと言うのは個人の勝手であるんですが、ここにツイッターという超法規的ツールと、ツイートを見ただけで脊髄反射的に質の悪いニュースに仕立て上げるネットメディアのコラボレーションにより、その一個人の嫌悪は瞬く間に集団リンチになってしまうのです。
私がツイッターにお気持ちを表明したくないのは、それがどうあっても集団リンチの燃料になりうるから。たとえそれが擁護側であろうと。このての問題は、「そういうこともあったよね」とそっ閉じするのが一番さっぱりした終わり方になると思います。実際、オリンピック終わったら、小山田圭吾をよく知らない人間にとってはこの問題も忘れ去られることでしょう(氏の名前とともに)。
たぶんこのいじめ問題は、氏のキャリアの中で今までも幾度となく出てきて、これからも幾度となく掘り返されることなんでしょう。ずっと向き合っていくしかない。ただ自業自得という他ないですが。
ただ怖いのは、氏はその人生の中でいくつもの集団リンチを受けて断罪され、その度に自分の罪を反省することができますが、集団リンチを加えた側は、自ら悦に浸るのみで、他者を陥れたことに対しての反省をすることがない、という逆説的な皮肉を含んでいるところで、そこが面白くも不条理な部分ではあります。
■ 我々にできることは反面教師のみ
これに尽きると思います。まずいじめはやらない、やらせないのは当然ですが、公に残るものに滅多なことを遺さないというのは徹底すべきだと思います。特に、誰でも気軽にネット上に自分のタトゥーを刻むことができる今こそ、注意して自分の投稿を推敲する必要があると思います。
ネットリンチにおける加害者は、自分が加害者だという自覚のないまま私刑を執行するため、もう自衛しかない、そう考えます。