■ ロックダウン魔都
北京オリンピック以降、中国国内のコロナウイルス感染は瞬く間に拡がり、とうとう上海でも猛威をふるい始めています。
このような状況でも、中国としては清零(ゼロコロナ)政策を取り続けているため、なんとかのらりくらりロックダウンを避けてきた上海もとうとうロックダウンを開始することになりました。
■上海のロックダウン政策
1.上海を川(黄浦江)を隔てて2地区に分けてロックダウン。
2.浦東、浦南地区は3/28早朝ー4/1早朝までロックダウン
3.浦西地区は4/1早朝ー4/5早朝までロックダウン
4.ロックダウン中は小区(団地)ごとのPCR検査の時間以外、外出不可。
5.4日間のうち2回、PCR検査をおこなう。
6.もし陽性者が出た場合、陽性者の住むマンションの棟は+14日封鎖。陽性者の住む小区は7日封鎖+7日健康観察。陽性者の住む街道(日本でいう丁目とか大字(おおあざ)とかそんなイメージ)は7日健康観察
7.デリバリーは日用品のみOK。そもそも街がロックダウンしているので料理デリバリーは望めない。
なかなか厳しいです。既にロックダウンを終えた浦東地区では陽性者の捕捉が進んでいるようです。
私の住む浦西地区は今日からロックダウンとなり、在宅勤務中です(と言いながらブログ書いているのですが)。
■ ロックダウンに向かう街の様子
先週末くらいからロックダウンの知らせが出回り、同時に食糧の備蓄を呼びかける知らせも出回りました。
この1週間は上海市民は食糧調達に奔走していました。家の近くにあるアピタもこの有り様。
#新型コロナウイルス肺炎 3/28 現在、上海虹橋エリアにあるアピタが行列で凄いことになっていますね。これ、今度は買い出しクラスターが発生するぞ。 pic.twitter.com/0uKP1qja58
— 藤田康介 新刊『上海清零』〜上海ゼロコロナ大作戦〜 (@mdfujita) 2022年3月28日
近くの八百屋も行列ができ、野菜もほとんどない状態。
ネットスーパーも受付開始時間と同時にデリバリー予約がいっぱいになります。もはや争奪戦。食糧調達のためにひとところに大挙してしまっては、ロックダウンも意味をなさないのでは?と思ってしまいます。
マンションの棟でも、Wechatのグループチャットで食糧類の斡旋販売が始まり、受け取った人が「質が悪い、騙された」と嘆いたり。
昨日は弊社社員もロックダウンの準備ということで早上がりさせてもらい、私も近くの八百屋通りに行ってみました。
ロックダウン前日に合わせてか、物量はかなり豊富にありました。質も良かった。
ただまあ、人は多かった。衛生状況も悪かった。大丈夫か?という感じ。
こんな中、私の家族は買い出し行ってくれたのですね、と頭の上がらない気持ちになりました。
ロックダウン前夜は、これからに向けて英気を養おうということで、寿司をデリバリー。
ささやかな贅沢で、何日になるかわからないロックダウンがんばろうということで。
■ ゼロコロナにこだわる中国
これまで頑なにゼロコロナを堅持してきて、また達成できてきた中国ですが、オミクロン株の伝播力はやはり凄まじいなあと思ってしまいます。ただ、増えてきたといっても、世界の各国と比べてもまだまだ少ない感染者数に収まっていて、この政策にも一定の効果はあるのかなと思います。
ゼロコロナももうダメなんじゃない?と国内外の声もありますが、多分中国はゼロコロナをやめないと思います。
1.都市部の人口密度はかなり高く、もし無秩序になってしまった場合のパンデミックはかなり大規模となってしまうから。
2.中国は都市部への出稼ぎ労働者が多く、また地方は医療環境が発達しているとは限らないため、もし都市部で陽性になった人が地方に帰った場合に地方でのパンデミックに対処できる医療体制が見込めないから。
人口1位の国であり分母もデカいだけある悩みはあるのかな、と。
まあ、この国に住んでる以上は郷に従うほかないですわな。