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上海生活回顧録2022【生活編】

日本に戻って半月が経ちました。

1年半という長くないブランクというのもありますが、やはり30年近く住み続けた土地、順応するのは容易でした。

とはいえ、やはり中国上海での生活はああだったな、こうだったなと思うこともしばしばあります。

ともすれば、中国のスピード感、5年後10年後にこの文章を読み返した時に(その時にこの文章が残っていれば幸いだけど)、2020年初頭はこうだったかと思い返すのも面白いなと思ったり。そんなわけで、章立てて中国での生活、文化で感じたことを記して行きたいと思います。

今回は【生活編】です。

 

■ やはり、QR決済が便利

日本との大きな違いであげられるのは、やっぱりコイツです。

とにかく、個人商店だろうが高級ブランドショップであろうが、個人間の送金ですら全てQR決済で事足りてしまうという点です。

日本でも最近はQR決済が出てきましたし、中国行く前もPaypayなんか使っていましたが、本場の電子決済の感触を味わうと日本のシステムの煩わしさに頭をクシャクシャしてしまいます。

Alipay(支付宝)とWeixin Pay(微信支付)しかない

これが一番でかいです。昔はいっぱいあったか知りませんが、やはりゴチャゴチャせず支払い方法が2つしかなかったのは非常に使いやすかったです。

日本だと、例えば小売店舗によって推奨する支払い方法があって、それごとに支払い方法を用意したほうが還元率が良くなって、ポイントも貯まって。。。とかそんな感じですが、そういうのを一切気にしないで支払いできるのが良いです。

日本でももう少し決済方法の統廃合が進んで欲しいなとは思いますが、既存ユーザーの文句や利権やらでそうは問屋が卸さないのが日本あるあるです。そのあたりは強権的にエイヤアとできる、また、まだまだ発展しろを残している中国ならではですね。

 

■ デリバリー超便利

特に上海とか大都市に住んでいたから、というのはありますが、やはりデリバリー(外卖)は非常に便利でした。(今が田舎住みでデリバリーが全くないってのもあるんですが)

食事のデリバリー(饿了么,美团)、ネットスーパー(盒马,美团)、近距離のお使いデリバリー(跑腿)なんてのもあり、外に出なくても生活できてしまう環境でした。

ことロックダウンの一時期は上記もほとんど死んでしまいましたが、跑腿は貴重な嗜好品を手に入れるための唯一の生命線みたいな感じでした。

 

ビッグデータ化、ペーパーレス化

日本人はアレルギーの個人情報ビッグデータ化。プライバシーがどうのこうの、という人もいますが、システムの中に組み込まれればこんなに便利なこともないなというのが感想です。

それを感じたのは、やはり新型コロナのPCR検査結果です。

基本、個人の身分証IDとAlipayのアカウントIDが紐づいており、さらにPCR検査結果やワクチン接種結果も紐づきます。PCR検査を受けたりワクチン接種をしたりすると、Alipay内のプログラム(小程序)で結果や接種記録を見ることができます。更に、検査結果は健康状態を表示するQRコード(健康吗)にも反映され、健康なQRコード(绿色吗)を見せることで施設に入構できます。スマホ1つでなんでもでき、大体の手続きもできます。

最近日本でもワクチン接種を行いましたが、役所からワクチン接種券が送られてきて、その紙にシールを貼ってもらって接種記録にする。。まだまだ紙文化なんだなと思い知らされました。

 

■ 物価は高い。でも給料も上がっている

10年前、20年前の中国を知る人は「物価は安いやろw」とか言うみたいですが、中国上海の物価は日本並みかそれ以上です。

それを非常に感じるのは食材、雑貨類です。上海は金持ちが多いので、食材もまあまあ品質の良いものが売られています。また、日本の雑貨は人気があるようで、無印良品なんかも至る所にあります。日本のクオリティ基準で食材雑貨を買いそろえていくと、まあ当たり前ですが高いな、ってなりますわな。

反対に、サービス業は安いな、と感じます。例えばタクシー(DiDi)。配車アプリDiDi(滴滴)では呼ぶ車のランクが選べますが、その中の一番高級なランク(手袋を嵌めたショーファーが運転するメルセデスのセダンやバンが来る。車内にフィジーウォーターが1本ついている)で、日本のタクシーと同じ値段。そりゃあいっちゃん高級なやつ乗るっしょ?!となります。

あと、床屋やマッサージ屋も日本と比べると安いかな、と思いました。

中国では物価は高くなっていますが、その分給料も少しづつ上がっています。物価を上げるか、給料を上げるか、卵が先か鶏が先かって話ですが、上がりにくい方を先にあげてから上げやすい方を上げるべきでは?と思ってしまう今日この頃です。

 

■ 自転車に乗りやすい、モバイク(レンタル自転車)、二輪EV台頭

往年の北京天安門の映像の典型は大量の自転車に乗る人々、というのがステレオタイプなイメージだと思いますが、少なくなったとはいえやはり自転車、自動二輪車はかなりメジャーで、道路もだいたい二輪車用の走行帯があるのは非常に良いなと思いました。日本では二輪車は歩行者以下のプレゼンスで、交通最弱者ですから。。

また、道ゆく自動二輪は大体EVです。中国の法規制上、電動自転車(电动自行车)は二輪車走行帯を走っても良いことになっています。(大排気量のバイクは二輪車走行帯を走れません)電動自転車の普及とデリバリー文化の繁栄は切っても切れない関係でしょう。歩道を縦横無尽に走る外卖小哥はちょっと怖いですが。。

また、範囲内なら自由に乗り捨てできるモバイクもめちゃくちゃ便利でした。歩くには少し遠いスーパーに行くのにも便利。地方ではEVモバイクもあり、試してみましたがめちゃくちゃ楽しい。日本でも原付レベルの電動チャリ欲しいなあと思ってしまいました。

 

■ でもやっぱりロックダウンはつらい

ロックダウンに突入するまでは、上海から一歩も動きたくねえ!なんて思っていましたが、ロックダウンを経験すると、やっぱり中国生きづらいところだなあと思ってしまいました。

上位の政府の一声で生活のあり方が一変してしまう。社会主義的ですが、やっぱり仮初の自由と忖度の国、日本で生まれ育った私としては、この鶴の一声感が生きづらさを感じてしまいます。

 

てな感じで、かなり長くなりましたが、生活編をシメたいと思います。

次は【文化編】でお会いしましょう。